2017年にフルモデルチェンジした新型ワゴンR。燃費はWLTCモードで21.8〜25.2km/Lです。
しかし、実際の燃費はそんなにでることはあまりありません。JC08モードよりは実燃費に近いWLTCモードといえど、カタログ燃費を実燃費が達成することはほとんどありません。
燃費で知りたいのはそんな当てにならない数字でなく、
- ワゴンRハイブリッドモデルの実燃費
- ライバル車との実燃費比較
(ムーブ、N-WGN)
この部分ではないでしょうか。ここではこの2点についてネット情報を中心に詳しく調べてみたので紹介したいと思います。
また、ネット情報は信用ならないところもあるので、自分でも実際に新型ワゴンRに乗って燃費を計測してみました。
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新型ワゴンR/ハイブリッドの実際の燃費を公開!
ワゴンRの実燃費のデータはe燃費やみんカラの燃費記録を参考に、毎月のデータを記録しました。
記録したデータを
・平均の実燃費
・燃費達成率
・月ごとの実燃費
この3つのポイントで紹介したいと思います。
対象エンジンはハイブリッドモデル
ワゴンRには
・ガソリン
・マイルドハイブリッド
・マイルドハイブリッドターボ
この3つのエンジンがあります。ガソリン車とマイルドハイブリッドのカタログ燃費での差は0.8km/L。燃費の良いハイブリッドが実際どれだけ走るのか気になったので調査対象としました。
新型ワゴンR/ハイブリッドの実燃費は平均的な数値
平均実燃費、平均燃費達成率を整理してみました。
燃費 | ワゴンR(2WD) [マイルドハイブリッド] |
ワゴンR(2WD) [マイルドハイブリッドターボ] |
カタログ燃費[WLTC] | 25.2km/L | 23.4km/L |
実燃費(平均) | 19.7km/L | 18.6km/L |
燃費達成率(平均) | 78.2% | 79.5% |
マイルドハイブリッドとマイルドハイブリッドターボのカタログ燃費の差は1.8km/L。平均実燃費ではマイルドハイブリッドの方が1.1km/L高く、マイルドハイブリッドターボとの差は少ないです。
マイルドハイブリッド、マイルドハイブリッドターボ共に実燃費に大きく関係している燃費達成率は約8割という数値。
これは全車種の平均燃費達成率73.1%(※)と比べて7%程良い数字です。ただ、この数字はめちゃくちゃ良いというわけではありません。
この平均燃費達成率はJC08基準の数値で、それより低い値のWLTCモードでは燃費達成率は高くなりやすいんです。なので、ワゴンRの燃費達成率約8割は一般的なハイブリッド車の中では平均的な数値のようです。
※e燃費の全車種の燃費達成率ランキング上位100位の平均
新型ワゴンR/ハイブリッドの各月の実燃費を公開。春秋は良いが、夏冬は悪い
実燃費は季節によってかなり変動すると感じていたので、実燃費と温度の関係をグラフで表してみました。
マイルドハイブリッドを見ると、クーラーやエアコンの使用機会が少ない春や秋は約24km/Lと、年間の平均燃費より約4km/Lも良くなります。
反対にクーラーやエアコンをたくさん使う冬や夏は燃費が18km/L程度で、年間の平均燃費より悪いです。
特に燃費が悪いのが冬の寒い時期。燃費が15km/L台に落ち込みます。これは冬になるとエンジンを温めるのに、暖機運転が行われるからでしょう。
また、マイルドハイブリッドターボはマイルドハイブリッドよりどの月でも実燃費が約1km/L低いところで推移しています。
新型ワゴンR/ハイブリッドの実燃費は年間で7km/L以上変動する
月ごとの実燃費を詳しく見るため、各月の実燃費グラフを数値で表しました。
月 | ワゴンR(2WD) [マイルドハイブリッド] |
ワゴンR(2WD) [マイルドハイブリッドターボ] |
1月 | 15.9km/L | 15.0km/L |
2月 | 15.7km/L | 14.8km/L |
3月 | 17.9km/L | 16.9km/L |
4月 | 23.8km/L | 22.5km/L |
5月 | 23.8km/L | 22.4km/L |
6月 | 22.7km/L | 21.4km/L |
7月 | 17.9km/L | 16.9km/L |
8月 | 18.0km/L | 17.0km/L |
9月 | 22.1km/L | 20.8km/L |
10月 | 22.4km/L | 21.2km/L |
11月 | 19.6km/L | 18.5km/L |
12月 | 18.0km/L | 17.0km/L |
マイルドハイブリッドの実燃費は2月と4月で8.1km/Lの差がありました。また、マイルドハイブリッドターボは2月と4月で7.1km/Lの差があり、気温によって燃費が大きく異なるようです。
口コミで実燃費がバラバラなのも気温・季節が関係している
ちなみにワゴンRの燃費は価格com等の口コミでも月ごとの燃費が違うと言われています。
マイルドハイブリッドの燃費を1月頃に評価した人は、
「市街地で15km/L。カタログ値には届きそうにない」
と評価。4月頃に評価した人は、
「なかなか高い数値。街乗りで23km/L」
と評価しており、評価が大きく違います。
ワゴンRの口コミ評価については、欠点も含めてこちらで詳しく紹介しています。
⇒欠点はここ!新型ワゴンRの口コミ評価・評判
ライバル車(ムーブ、N-WGN)との比較
ワゴンRのライバルといえば、ムーブとN-WGNです。ワゴンRの購入を考える際、一緒に検討されるライバル車の燃費も気になったので比較してみました。
ライバル車の中で、新型ワゴンR/ハイブリッドの燃費は1番良い
平均燃費と達成率を比較した結果です。燃費に関係する要素も合わせて比較しました。
燃費 | ワゴンR [マイルドハイブリッド] |
ムーブ | N-WGN |
カタログ燃費[JC08] | 31.0km/L | 31.0km/L | 29.0km/L |
実燃費(平均) | 19.7km/L | 18.9km/L | 19.0km/L |
燃費達成率(平均) | 63.5% | 61.0% | 65.5% |
重量 | 770kg | 820kg | 850kg |
エンジン最大出力 | 49馬力 | 52馬力 | 58馬力 |
モーター最大出力 | 2.6馬力 | – | – |
【ワゴンR】
ワゴンRの実燃費はライバルの中で1番良いです。ライバルより車重が軽く発進時にモーターの補助があるので、燃費が良いようです。また、ハイブリッドなのに車重が軽いのも燃費が伸びる要因でしょう。
【ムーブ】
ムーブの実燃費はライバル車の中で1番悪いです。スペック的にはワゴンRとそん色ないですが、ガソリン車な上に長い間フルモデルチェンジされていない古いエンジンなのでハイブリッドにはかないません。
【N-WGN】
N-WGNは、実燃費と燃費達成率の高さが目立ちます。ホンダのエンジン性能が良いので、エンジン出力が高いことと良い燃費を両立させているのでしょう。
各月の実燃費は新型ワゴンRがリード
各月の燃費も比較してみました。
年間通してみても、ワゴンRが良い数値です。
ムーブとN-WGNはワゴンRの燃費には届きませんが、1km/L以内の差しかないので、悪いわけではありません。
検証!実際に市街地、高速、郊外を走ってみた!
ワゴンRの燃費を調べていると、気になってくるのが
調べた数字は正しいのか?
ということです。e燃費やみんカラのデータではかなり精度が良さそうですが、実際に測ってみないと納得はできません。
そこで、今回はワゴンR(マイルドハイブリッド)に乗って、燃費を計測してきました。
実測した時の条件がこれ。かなり実践的なコースを走れたと思います。
[ドライブコース]
郊外 :25km。渋滞なし、信号は少なめ。
高速 :40km。渋滞なし。
市街地:20km。渋滞あり、信号は多め。
[走行条件]
走行日 :2020年3月4日
外気温 :10℃
天候 :曇り
エアコン:22℃(A/CスイッチON)
運転手 :私(35歳)、51kg
同乗者 :妻(34歳)、46kg
新型ワゴンRは郊外だと平均燃費以上
今回は郊外からスタートし、市街地が目的地です。
郊外では信号は少なく、約2kmに1つといった感じです。信号で止まることはほぼありません。渋滞に引っかかることもなく、60km/hくらいで順調に走行できました。
そんなスムーズだった郊外を通過し、燃費計に目を移すと
『21.7km/L』
という表示が。これは平均燃費から2km/L程良い数値です。
郊外を走行中は、ステータスインフォメーションランプ(※)を見て、燃費効率の良い緑色になるよう緩やかな加速を心がけていました。もしかするとこれが高燃費につながったのかもしれません。
※運転状態を光の色で伝える機能。通常運転、燃費の良い運転状態、減速エネルギー回生時を色で表示。
高速だと新型ワゴンRの燃費はかなり良い
次は高速道路です。高速走行中は渋滞にはまることもなかったので、80km/hをキープして走行し続けることができました。燃費を測定するにはめちゃくちゃ良い環境でしょう。
特に追い越しもせず、高速を降りる時に燃費計を見ると
『23.6km/L』
とかなり良い燃費を記録。(※高速に入った時に燃費計はリセット)
平均燃費からすると、3.9km/Lも良い数字です。
高速走行中はモーターでエンジンをアシストし(※)、なるべくガソリンの消費を抑えたことが良い燃費を記録した要因でしょう。
※発進後〜約100km/hの幅広い速度域でエンジンをモーターでアシスト(1回のモーターアシストは最長で30秒間)
新型ワゴンRは市街地だと燃費はかなり悪くなる
最後は市街地。市街地は信号がかなり多く、約200mに1つという狭い間隔で設置されている感じです。
さらに渋滞も発生していたので、発進と停止を頻繁に繰り返してしまいました。平均速度は20km/hを示しており、燃費にはかなり悪い条件だったといえます。
目的地に付いて燃費計をチェックしてみると
『11.8km/L』
という表示。これは、平均燃費よりも7.9km/Lも悪い数値です。
ハイブリッド車なので発進と停止の燃費への影響は受けにくいです。しかし、混雑の酷い環境では燃費改善にも限度があるので、しょうがない数値でしょう。
ドライブコース検証まとめ
新型ワゴンRの燃費は19.0km/L
今回は郊外を中心として総距離85kmを走りました。平均燃費は19.0km/Lだったので、ネットに書かれている実燃費とほぼ同じ数値を確認できました。
新型ワゴンRの燃費向上させる実験をしてみた
高速は23.6km/Lと燃費がかなり伸びましたが、カタログ燃費(WLTCモード)との差は1.6km/Lもあります。
私はこの数字では満足できなかったので、帰り道はエアコンOFFで走行してみたんです。
その結果がこれ。
郊外 :21.7km/L→22.8km/L
高速 :23.6km/L→24.8km/L
市街地:11.8km/L→12.4km/L
平均して燃費を約5%アップさせることに成功しました。
やはりエアコンはかなり燃費に影響するようです。季節によって完全にOFFにすることは難しいと思うので、設定温度を少し控えめにするだけでも効果があるのではないでしょうか。
新型ワゴンRではガソリン代はいくらかかるのか?
ワゴンRの実際の燃費が分かったので、これをガソリン代に換算するとどれくらいになるのか計算してみました。
通勤で使うことを前提として・・・
- 平日1日40km×20日=800km
- 休日1日5km×8日=40km
とし、1ヶ月の走行距離を合計840kmで計算。
ガソリンの価格は1リットル140円として、1ヶ月、1年間のガソリン代を計算してみました。
1ヶ月のガソリン代は6,189円!
1ヶ月のガソリン代を計算してみると・・・
計算式
{1ヶ月の走行距離(840km)÷平均実燃費(19.0km/L)}×ガソリン価格(140円)=1ヶ月のガソリン代(6,189円)
となりました。
1年間のガソリン代は74,268円!
1年間のガソリン代を計算してみると・・・
計算式
1ヶ月のガソリン代(6,189円)×12ヶ月=1年間のガソリン代(74,268円)
となりました。
新型ワゴンRは平均的なガソリン代よりも29,649円安い
国土交通省の発表によると、ガソリン車のJC08モードの平均燃費は19.4km/L。実燃費の平均は公表されていませんが、燃費達成率を70%とすると平均的な実燃費は13.58km/L。
この数字からガソリン代を計算すると、103,917円になります。
ワゴンRの年間のガソリン代は74,268円なので、ワゴンRは平均的なガソリン代よりも年間29,649円安くなるようです。
新型ワゴンRを安く買うには?
優秀な燃費のワゴンRですが、安く購入するには値引きが重要になってきます。ただ、値引きについてはちょっと気を付けてほしいことがあります。それは…
値引き交渉でディーラーに騙されている人が多い
ということです。
この記事を見てくれた人には絶対騙されてほしくないので、実際にワゴンRを購入した人がどうやって騙されずに値引き交渉したのか、次の記事でチェックしてみてください。
⇒新型ワゴンRの値引き体験談をレポート。値引き相場や限界はいくら?